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zoom RSS 戦後70年談話を考える(No1934)

<<   作成日時 : 2015/08/16 21:38   >>

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安倍首相の戦後70年談話が世界から注目されたのは、日本が経済的にも軍事的にも無視できない大国になった証拠だ。とにかく、世界中のメディアが論評しているので紹介する。それにしても、70年談話が必要だったのか。疑問を抱く人も少なくない。

70年談話は必要だったのか
  著者の私見だが、,最も積極的だったのは安倍首相だ。理由は20年前に当時の首相が発表した戦後50年の「村山談話」を糺そうとしていた。中国に平身低頭したと言われた村山談話を修正すべきだと考えたからではないか。しかし、それを察知した中国の反対もあり、外交上の配慮から、その思惑は果たせなかったようだ。
  異例の長文となった談話
  安倍首相が談話を読み上げた時間は25分間、談話の字数3400字は、村山談話や小泉首相の戦後60年談話に比べ3倍近い長文だ。2月から首相の私的有識者懇談会で練り上げた報告書がたたき台となっているが、「タカ派からハト派まで納得させる」内容を盛り込んだので長くなったと言われている。

談話は日本の戦争を謝罪し、欧米の植民地支配も指摘した
  談話は日本の戦争がアジアの国々に戦禍をもたらし、多くの犠牲者を出したこを謝罪し、二度と戦争を繰り返さないことを誓っている。しかし、中国が求めた村山談話の「侵略」、「植民地支配」、「反省」と「お詫び」の文言については、安倍首相の言葉で発言せず、村山談話を引用して、歴代内閣が謝罪を繰り返してきたことを継承するとしている。韓国の求める慰安婦問題についても、「名誉と尊厳を傷つけられた女性たちを忘れてはならない」と詫びながらも、慰安婦の表現を避けている。中韓の際限ない要求に抵抗している。
  同時に百年前までの欧米によるアジアの植民地支配を指摘。日本の戦争がアジアの植民地解放を促した事実を仄めかしたのは、修正主義者と呼ばれる安倍氏の挑戦であろうか。
  国民に詫びるメッセージでもあった
  日本が泥沼にはまる戦争の愚を犯し、310万人もの国民を犠牲にしたことを反省している。村山談話は中国へのお詫びばかりだったが、小泉談話が初めて国民に詫びている。談話は過去の指導者の誤りを認め、国民に詫びるメッセージでもある。

メディアは「意外に融和的」とワシントン・ポストが評価
  海外のメディアが一斉に取り上げている。アメリカの有力紙ワシントン・ポストが社説で、「安倍首相を批判する人たちが考えていたよりもはるかに融和的な内容で、国粋主義的な要素も少なかった」と指摘。「近隣諸国から上がっている懸念に応えて、歴史認識を変えるつもりはないことを保証した」と評価している。
  だが、アメリカのニューヨーク・タイムス紙は、「安倍氏自身の新たな謝罪を示さなかった」と批判。英国のフィナンシャル・タイムス紙は「永遠に謝罪を続けるつもりはないことを支持基盤である右派に暗示した」とし、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙も、「ナショナリストにも納得させようとした」として、安倍氏の体質を解説している。

3大紙が対立した、「旧体制の名誉回復」と朝日新聞
  国内のメディアも、日本を代表する朝日、讀賣、毎日の三大紙の論評が大きく分かれた。特に反安倍的な朝日は厳しく追及している。「安倍首相相の談話を出した動機は歴史を自分の味方にするいためだ」と決めつける。日本の戦争は「アジア解放が目的だったとは言い難いが、それに挑戦したかったのだろう」。「あえて談話を出すのは歴史から教訓を受け取るより、歴史認識を変えたいという考えがあるからだ。旧体制を少しずつ名誉回復する姿勢だ」と安倍氏の歴史観に立ち入っている。
  「村山談話をオブラート」と毎日新聞
  毎日も同じく反安倍的論調だが、「歴史認識や和解への意欲は必ずしも十分ではない。村山談話をオブラートで包んだような表現になっている。支持基盤である右派勢力に配慮しつつ米国や中国などの批判を招かないようにしたためだ。結果として誰に向けて、何を目指したのか。不明確になった」としている。
  「謝罪の歴史に区切りを」と讀賣新聞 
  この二紙に対抗しているのが読売だ。論調ががらりと変わる。20年前の戦後50年の国会決議に反抗して多くの自民党議員と共に当時1年生議員の安倍氏が採決を欠席したことを紹介。「自民党でも保守的とされる安倍氏が村山談話と同じ表現を用いた意義は大きい」としている。安倍氏が談話で最も強調したことは「先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせない」としたことだが、「安倍談話で謝罪の歴史に区切りをつけなければならない」と主張している。

野党は談話に懐疑的
  各党も予想外の談話に戸惑ったようだ。民主党の岡田代表は、「今までの政治家安倍晋三の歴史観とは明らかに異なる。大きく考え方を変えたのか」と意外な内容に懐疑的だ。他の野党も一様に疑心暗鬼だが、与党の公明党は大心配していただけに、山口代表は「安倍首相の強い責任感が表れている」として、安倍的でない内容に安堵の表情を隠せないようだ。

米は歓迎、中韓は控えに批判した
  各国政府でアメリカは「過去の談話の継承」を歓迎しているが、中韓の反応を注目しているようだ。その中国は外務省が14日深夜に木寺駐中国大使を呼んで、「戦争責任の明確な説明と誠意ある謝罪」を求めたが、日中関係に影響を与えないように「強烈な不満」など強い批判は避けたようだ。
  韓国も朴大統領が「残念な部分が少なくない」と、折からの「光復節」の演説で述べているが、「歴代内閣の立場は揺るぎない」としたことに「注目する」とも述べている。中韓両国とも安倍談話の間接的表現には批判的だが、「関係を壊す程でもない」としたようだ。
  
戦場になった国々の反応は様だった
  第2次大戦で日本の戦場となった各国の反応は、フィリピンが「二度と戦争の惨禍を繰り返さないという点には同意する」。インドネシアも「高く評価する」。台湾「日本が反省し、自己批判する気持ちを信じる」など。豪州のアポット首相は「豪州や他の国々の苦しみを認めている」と評価。「この70年で両国は友情と信頼に基づく特別な関係を形成した」と述べた。
  英国は元駐日大使のヒュー・コータッツイ氏が「歴史的事実を正しく認識していない」と批判。BBC放送も「安倍氏自身のお詫びがなく、過去の謝罪から距離を置いた」と紹介した。ロシアのプーチン政権は一切コメントしていないが、ロシアにはウクライナ問題で西側と対立している事情もあるようだ。
  それにしても、穿った見方をすれば朝日新聞の評論のようになる。安倍談話が各国からどのように評価されるかは、その国の事情にもよるのではないか。

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