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zoom RSS 集団的自衛権の根拠にした「砂川事件」の最高裁判決に再審請求(No1823)

<<   作成日時 : 2014/06/18 15:50   >>

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  安倍政権は、50年前に確定した「砂川事件」の最高裁判決を集団的自衛権の行使を認める根拠としているが、判決を憲法違反とする再審請求が起こされて、集団的自衛権の根拠とした判決自体が怪しくなった。

  「砂川事件」は1957年7月、旧米軍立川基地の滑走路建設に反対して、基地内に突入した労働者や学生が逮捕され、7人が日米安保協定に伴う刑事特別法違反で起訴された。1959年3月、東京地裁の伊達秋雄裁判長が「駐留米軍は憲法9条に違反する」との判決で、全員を無罪としたが、検察の飛躍上告により、最高裁大法廷は同年12月、地裁の判決を破棄し、差戻し審の地裁は罰金の有罪とした。1964年1月に有罪が確定した。

  最高裁判決の内容は、「憲法9条の戦力とは日本国の戦力のことであり、駐留米軍は憲法9条の戦力に当たらない。安保条約は高度な政治性をもつ条約につき、裁判所が違憲かどうかの判断をするのは適当でない」とした。在日米軍はお墨付きを与えられた。
  日本の自衛について言及し、「わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛措置を取り得ることは、国家固有の権能の行使として当然」とする憲法解釈を示した。憲法の番人から日本の自衛権が認められたことになった。
  最高裁判決は判例として、その後の米軍基地訴訟で住民の訴えを退ける根拠とされてきた。また、安倍政権は最高裁判決を、歴代内閣が否定している集団的自衛権の行使を認める論拠としている。

  しかし機密指定を解かれ米公文書の記録から、当時の田中耕太郎最高裁長官が、当時のマッカーサー駐日米大使に対し、最高裁における「砂川事件」の審理情報を漏らしたことが判明した。マ大使から米国務長官に宛てた文書(1959年11月5日付)が見つかり、田中氏がマ大使と非公式に3度面会し、一審の無罪判決を破棄する見通しや審理日程、大法廷判事15人の全会一致を導く意向などを伝えたことが分かったのだ。
  当時は、翌年(1960年)の日米安保改定を控え、「砂川事件」の無罪判決(一審)が、安保改定に反対する勢力の論拠になることを恐れ、在日駐米大使が日本政府に対し適切な対応を求めていた。

  これに対し、砂川事件の元被告3人と遺族1人が17日、田中氏が米側に判決の見通しを伝えたことを示す米公文書3通を新証拠として、東京地裁に裁判のやり直しを求める再審請求をした。
  元被告たちは「公平な裁判を受ける権利を当時の最高裁長官に侵害された」と訴えているが、「田中長官が裁判長を務めた大法廷は、憲法37条が被告人に保障する公平な裁判所でなかった。訴訟手続きの憲法違反があり、差し戻し審の裁判官は50年前の確定判決を取り消すべきだ」と主張して「免訴判決」を求めている。 

  それにしても、歴代の最高裁長官の中でも高名な田中氏が情報漏えいしたとされているが、三権の長であり憲法の番人でありながら、米国の干渉を受け入れ、司法の独立を裏切ったのか。田中氏は判決の翌年、国際司法裁判所判事に立候補したが、米国の支持を得ていることから、「論功行賞」狙いだったとも言われている。
  
  再審の是非を審理する裁判官が、このような事情をどう判断するか注目されるが、安倍政権が集団自衛権の行使を認める論拠も揺らぐのだろうか。

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