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zoom RSS 米国により封印された原爆投下(No1669)

<<   作成日時 : 2013/08/12 04:54   >>

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  終戦から68年たった。広島、長崎の原爆慰霊祭が行われたが、戦後、長い間、米占領軍(GHQ)による報道管制(プレスコード)で、原爆投下や東京大空襲が封印されていたため、実に奇妙な記事が、当時の新聞に載っていたのだ。

  広島に原爆投下されてから丁度1年後、昭和21年8月6日の地元紙1面の記事である。「けふぞ巡りきぬ平和の閃光」 「広島市の爆撃こそ原子時代の誕生日」と、まるで8月6日が祝祭日であるような記事である。
  翌年の22年8月6日、広島市中心部では「平和音頭」に合わせて人々が通りを練り歩いたが、「ピッカっと光った原子のたまにヨイヤサー。飛んで上がって平和の鳩よ・・・・」というのが平和音頭の文句である。
  GHQのプレスコードに対してマスコミや町内会が自己規制したのだが、あたかも原爆投下が「祝うべきこと」であるかのように伝えられている。

  広島で第1回の「原爆死没者慰霊式と平和祈念式」(平和祈念式典)が行われたのは、原爆投下された終戦から7年後の27年8月6日であった。この年4月28日、対日講和条約が発効し、日本がGHQから解放され独立を回復したからである。
  メディアも封印されていた戦争の記録を発表できるようになった。広島原爆の写真が世界で初めてメディアに載ったのは、写真雑誌の「アサヒグラフ」の昭和27年8月6日号であった。全誌面をあげて、原爆の投下された広島の写真を大特集したのである。
  原爆が投下された直後に、朝日新聞のカメラマンの松本栄一、宮武甫両氏以下6名のカメラマンが駆けつけて、生々しい写真を撮っていたが、GHQが原爆投下の写真を草の根を分けるようにして没収していた。当時、アサヒグラフの編集長であった飯沢匡氏がカメラマンと共に、7年間写真を秘し隠していたのである。

  当時、アサヒグラフの原爆写真を見たというコラムニストの山本夏彦氏は、「筆舌を絶するというか、酸鼻をきわめるというか、全身の皮膚を垂らしてなお歩み、生きながらに蛆虫のわくにまかせ・・・私は妻子が見るのを恐れて押入れの奥深くに隠した」という。
  山本氏は、その後30年たった昭和57年8月9日号の週刊新潮に「頻リ二無辜ヲ殺傷シ」と、昭和天皇の終戦の詔勅から借りた題名でコラムを書いている。アサヒグラフから借りた広島原爆の写真も4枚載せているが、「アメリカの知識人は、もし原爆を落とさなかったら、本土決戦になり、五百万人や一千万人の日本人が死傷したと、日本人を助けやったと言わんばかりだが、原爆投下が日本人だったら、アメリカ人と同じことを言うに違いない」と書いている辺りは、時代の落ち着きを感じさせる。

  原爆投下直後に、全国の医師や医学生が1300人動員され、原爆で死傷した人の医学調査をしている。この調査報告書は米軍に接収され、GHQ機密資料として、アメリカ国立公文書館に保管されていたが、公開されたのは、終戦から65年後であった。報告書は全181冊、1万頁の膨大なものだが、NHKが、2010年8月、「原爆の日」の特集で、「封印された原爆報告書」と題するスペシャル番組で初めて放映された。翌年も再放送され、「化学ジャーナリスト賞」と「放送文化基金賞」を受賞した。 

  広島と長崎の原爆による死者20万人以上、重軽傷者11万人以上であったが、調査はGHQの指令で米国の研究機関と協力して行われた。翌年9月に終わったが、収集した資料は米国に持ち帰り、11月に「日本における原爆の医学的効果」として報告されている。日本でも学術研究会議の「原子爆弾被害調査報告集」のなかで報告されたことになっている。
 報告書はマカッサーの命令で、英文1部、日本語5部が作成されたが、報道されたのは、2010年のNHK番組が初めてだ。ヒロシマ、ナガサキが風化されないためにも、毎年、放送されて、多くの人に観てもらいたいものだ。

  最後に原爆投下も東京大空襲も、明らかに非戦闘員を大量に殺戮することを目的とした戦争行為は、国際法上も戦争犯罪であり、人道に対する罪である。原爆や大空襲が戦争を速く収束させる効果があっても、いかなる状況においても、行使を認められないのである。
    

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