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help リーダーに追加 RSS 「大連立騒動」を検証ー終わりではない(NO34)

<<   作成日時 : 2007/11/12 15:48   >>

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 小沢一郎民主党代表の辞意撤回と代表復帰で『大連立騒動」は、一件落着したように静かになった。マスコミが扱わなくなった。永田町の話題から遠ざかった。
 世の中は静かになったが、「大連立構想」は終息していない。復活する可能性がある。

◆渡辺・読売会長が仕掛け人◆
 
 大連立構想が何故失敗したのかという物語である。
 
 大連立を協議するための党首会談は、「マスコミ界の重鎮」の呼びかけで行われた。
 小沢も、二ヵ月前に「ムゲにできない人」から誘いがあったと告白している。
 
 その人は「ナベツネ」こと渡辺恒雄氏である。世界最高の1000万部の新聞を発行する読売新聞社を率いる会長であり、現役の「主筆」でもある。
 81歳である。仕掛け人として健在ぶりを見せつけたが、8月16日の読売新聞の社説で「大連立論」を書き、膠着状態にある政治を憂い、「ねじれ国会」を解消するために、自民党と民主党による大連立政権を提唱している。
 8月末ごろ、民主党の鳩山由紀夫幹事長も同じ呼びかけを受けたが、鳩山は断っている。

◆マスコミが煽った偏見◆ 

 読売のライバル紙である朝日、毎日など各紙は大連立つぶしにかかった。
 一斉に「密室会談だ」と非難し、「民意は総選挙による政権交代にある」と大連立構想を批判した。
 大連立政権構想を、戦前の「大政翼賛会」に比肩して、「陰謀」とか「首謀者」とか煽りたて、福田と小沢を犯人扱いにした。 
 
 朝日新聞が「連立政権協議」の「評価」を聞いた世論調査は、「評価しない」が48%、「評価する」が36%。連立の評価が低くかったのは、マスコミが悪く書けば、他に情報がない国民が悪く思うのだから当たり前のことだ。
 
 マスコミの扱いは公正だったろうか。
 マスコミの確執から、ことさらに「大連立批判」を煽ったのではないか。私は大連立論者ではないが、マスコミの扇動は行き過ぎだったと思う。こうしたマスコミが、国民の判断を誤らせる

 ◆国会の膠着打開の党首会談は頓挫◆ 
 
 会期末が迫っている中、成立した法律は1件だけという、国会の膠着状態で困っているのは政府与党だけではない。選挙公約を実現するために法案を提出している民主党も同じ。小沢が会談に応じた理由の一つである。

 会談の詳しい経過は省略するが、デッドロックになっている海上自衛隊の給油活動について、歩み寄りがみられたものの、民主党が大連立に反対したため、すべて元の木阿弥に終わり、振り出しに戻ったため、国会の膠着状態が続いている。問題のテロ新法は衆院で可決され参院に送付されたが、状況によっては重大な政局になるかも知れない。

 ◆大連立に戦術転換した小沢◆
 
 「ねじれ国会」を解消するには、民主党が衆院で過半数を獲得し政権交代するか、自民党と民主党が大連立政権を樹立するか、他に「ねじれ」を解消する方法はない。
 では民主党が次期総選挙で政権交代できるのかというと、民主党が過半数(241)を獲得するには、現在(113)より128議席増やす必要があり、至難の業なのである。
 
 小沢は「ねじれ国会」で政府を追い詰め、解散を迫る作戦をとってきたが、総選挙で政権をとることが困難と分かり、大連立構想に戦術転換した。政権への近道を選んだと言われた。
 
 議会第2の大政党である229人の民主党勢力は、小沢の力量をもってすれば、小が大を制することも難しくはない。30人の小政党だった自由党の小沢が、いまや大民主党を支配している。自民党といえども、やがて母屋を狙うこともと、いうわけである。小沢は怪物である。

◆大連立に本気だった小沢◆

 小沢代表は本気だったし自信もあった。
 辞意表明と記者会見、復帰表明と記者会見では、一言も大連立政権構想を否定していないことでも分かる。
 会談を終わって大丈夫かと福田総理に聞かれているが、自信たっぷりに「決めてきます」と言っている。小沢副総理など入閣閣僚の人数についても話し合いをしていることからも本気であったことが分かる。

 なぜ民主党で反対されたのか。
 寄り合い世帯の理屈屋の多い民主党で「大連立」が簡単に承認されないことは分かりそうなものだが、分からないのが小沢だ。

◆反対を言えなかった鳩山◆
 
 会談の休憩時間に会談の中身を詳しく鳩山や菅に話をしているが、だれも反対しないので、鳩山たちは賛成だと勘違いしていたのではないのかと言うのだが、小沢には反対は絶対に受付けない傲慢なところがあり、誰も小沢と面と向かって反対を言える者はいない。鳩山も菅も反対だったが、それを言えなかったのではないか。

 小沢は「真面目な話だから前向きに検討したい」と説明を始めている。役員会には鳩山たちの根回しが済んでいるものと思っていたら、猛反発を食った。根回しが行われていないことを知った。
 発言した6人全員が反対であった。15人の出席者のうち一人の賛成者もなかった。

◆役員全員が反対だった◆ 

 小沢は「みんなが言うのなら分かった。断ってくる」と憤然と席を立ち、隣室の代表室から福田総理に「せっかく誠意ある対応をしていただいたが、反対が多くて」と承諾できない旨を電話している。
 
 大連立が民社党に受け入れられたら画期的なことだが、連合の組織が認めないと言われている。すでに小沢に対する批判が地方組織から出ている。
  
 小沢は参院選の最高の功労者として敬意が払われているが、党内は小沢に警戒心を抱いている者が少なくない。それを小沢に言う者が誰もいないから、思い込みが多く、「嫌なやつは出て行け」発言にもなる。
 大連立構想を聞いて「気が狂っている」と言った元幹部もいた。やはり大連立はとんでもない構想なのだ。反対があって当然なのだが、腹を立ててしまう小沢なのだ。小沢の不徳である。
 
 ◆巨大与党が誕生する大連立◆

 「大連立」は、本来、敵対する2大政党が樹立する連立政権である。議会で圧倒的多数を占める巨大与党が誕生する。2院制議会が第1院と第2院で多数を占める政党が違うことがあるので2院制議会で可能性がある。「ねじれ国会」が当てはまる。

 いま自民党、公明党と民主党が大連立を組むと、衆院で449議席(定数480)、参院で224議席(同242議席)、衆院の93%、参院の90%を占める巨大与党が誕生するのである。
 目先のテロ新法どころか。憲法改正も消費税の改正も、どんな法律でも意のままになる、考えようでは、おそろしい政権が誕生する。
 まさに「大政翼賛会」であるが、制度は使う人の問題である。大連立は目的や期間を定め、必ず総選挙を行って終わる。最後を民意に問うということだ。 
 
 ドイツのメルケル内閣が、消費税改正を公約にした第1党のキリスト教民主・社会同盟と第2党の社会民主党の連立政権である。
 日本の選挙区制度にはなじまないと言われる。党首会談では中選挙区制に言及している。
 
◆大連立に未練◆

 民主党が党首会談を否定したので、「ねじれ国会」は当分の間、続くことになるが、大連立構想に未練たっぷりな人たちがいる。
 
 仕掛け人の渡辺恒雄会長が陣頭指揮をとる読売新聞は「それでも大連立を目指すべきだ」と11月5日の社説で「行き詰った現在の政治状況を冷静に見つめれば、大連立はやはり、なお実現を目指すべき重要な課題である」と主張している。朝日新聞はじめ他のマスコミ各紙は、総選挙思考だが。
 
 政治家では、加藤紘一元自民党幹事長は「次期衆院選の前後に新しい政治の在り方を模索する時がある。小選挙区制での政界再編は難しいので、中選挙区制への復帰も検討すべきだ」と積極的だ。
 
 田中秀征氏も「政権交代以上の歴史的事業だ」と期待する。「民主党は寄り合い世帯なので、政権の座についても早晩、空中分解しかねない。福田、小沢両氏が組んで大連立ができれば、政界再編が実現する」という。
 また日本経団連の御手洗富士夫会長は「小沢代表が党首として責任を感じ、解決策に乗り出したのだ」と高く評価している。 

 麻生太郎前自民党幹事長は「考えなくてはならない問題だが、国民の合意が得られるかなかなか難しい」と疑問を述べ「両党とも消化不良のままで突っ込んでいった」と党首会談には批判的だ。

◆「ねじれ国会」の解消に再度の挑戦も◆
 
 「ねじれ国会」が続く限り、チャンスはあるはずだが、小沢は旗を降ろし恭順を示し戦場に立つこと、二度と大連立の旗を掲げないことを誓った。
 
 読売の渡辺会長、森元総理、中曽根元総理など党首会談に関係した人たちは、なお大連立に期待している。、伊吹幹事長は幹事長同士で検討しょうではないかと、鳩山幹事長に呼びかけている。
 
 小沢はこのままじっとしていられるのであろうか。
 小沢が恥を忍んで代表に復帰したのは、再度のチャンスに賭けているからではないのか。小沢親衛隊「一新会」だけでも30人はいる。与野党の「ねじれ」の間でキャスチング・ボートを握る「新党」を目論むチャンスもある。中連立、小連立もあり得る。
  
 「もう一つの政権政党」をつくるという14年来の執念が、小沢を政権へ駆り立てている。もう一回、大連立に挑むチャンスがあれば、小沢はきっとその綱を掴むに違いないと思うのだが。






 

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